生理休暇を取らせない会社
こんにちは、うつわたです。
本日のテーマは、『生理休暇を取らせない会社』です。
そもそも、生理休暇とは?
労働基準法68条によると、
「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」
と、定められています。
これがいわゆる『生理休暇』の根拠規定です。
生理休暇は、法律で定められた決まりなので、例え就業規則に項目が無かったとしても、請求されたら必ず与えなくてはいけません。
つまり、生理が非常に重く、仕事に耐えられない…と従業員から請求があったら、会社は当日の申し出であっても、生理休暇を取らせる必要があります。
会社が生理休暇の取得を希望する従業員の請求を拒否した場合、労働基準法第120条第1項に違反し、30万円以下の罰金の対象となります。
ちなみに、生理休暇は有給である必要はありません。休んだ日数ぶん、給与から控除があっても問題ないです。
うつわたが現在勤める会社では、生理休暇は就業規則に規定されています。(無給の休暇扱いです。)
以前、転職して3ヶ月目の女性社員が、生理休暇の取得を男性上司に申請したのを目撃したことがあります。
まだ関係性も出来上がっていない中で、恥ずかしいのをしのんで、勇気を出して申請したのです。
男性上司は生理休暇の申し出を受けたのが初めてだったのでしょう、近くにいた女性の別部署の上司に相談しましたが、女性上司の答えは、
『有給で休んでもらって』
でした。
有給休暇は、労働者の権利であり、その取得は誰かに指示されて行うものではなく、自由に取得できるものです。(いわゆる計画付与を除きます。この話はまたの機会に!)
この場合の女性社員は、まだ新入社員で有給が少ないため、無給でも良いから、辛い生理日に休みたくて生理休暇を申請しているわけで、有給休暇を取りたいわけではないのです。
まさしく、無知と軽率が招いた悲劇。
女性社員は、試用期間中で立場が弱かったこともあり、泣く泣く生理休暇を諦めて、自身の有給を消化して早退しました。
この会社は、男性社員割合80%超えのいわゆる男性社会で、女性管理職は片手で数えられるレベル。昭和の田舎の会社のカラーを非常に色濃く残している会社です。
この会社の管理職にとっては、法律の知識やコンプライアンス意識よりも『自分たちの会社の暗黙のルール』『確認もせずに自分の常識の中で決めたこと』が正解なようです。恐ろしい限りです。
こうして、中途採用で入った優秀な女性社員は、この他にも色々あったのでしょうが、理不尽な職場環境に嫌気が差し、翌年には他社に転職していきました。
管理職になったら、業務の指揮命令権という大きな裁量を持つことになりますが、それは同時に、自分以外の人間の持つ権利を侵害する可能性があります。
上に立つ人間には、
『知らなかった』
では、済まされない知識があることを忘れてはなりません。
労働関連法令の知識は、人事部門や、社労士にだけ必要なものではありません。
部下を守り、育て、活かし、共に業績アップに向けて走る管理職にとってもまた、必須の知識なのです。
この記事を読まれた皆様は、例え上司から、生理休暇の取得を拒まれたり、有給使えと言われても決して折れず、必ず人事部門に事情を話して確認してくださいね。
今日も一人でも多くのサラリーマンを救えますように。