新入社員が電話を取らなくてはならない理由
こんばんは。うつわたです。
ブログスタートから5日間、労働基準法をはじめとした労働関連法規にまつわる記事を中心に執筆してきましたが、今回は趣向を変えてうつわた的『人材育成論』について書きたいと思います。
とは言っても、堅苦しい話ではなく、
世の中で働いている中で常識とされていることについて今一度、新鮮な気持ちで考えてみようよ。
そして気づきを得て、一歩高みに昇ろうよ。
という目的のもと、考えていきたいと思います。
さて、テーマとして取り上げるのは、
『なぜ、新入社員は電話を取らなくてはならないのか』
です。
なぜでしょうか?
うつわたが、新入社員のときに先輩から言われた理由は、
『電話を取ると、取引先や関係者を覚えられるから』
です。
これは、正解です。
しかし、他にも正解はあります。
別の回答、
考えてみてください。
いかがでしょうか?
ちなみに、ダメな回答ナンバーワンだと思っているのは、
『それが新入社員の仕事だからだ』
です。
これ、理由になってないですよね?
なぜ、新人の仕事なのか?
なぜ、新人でなくてはならないのか?
これらが、何も説明されていません。
うつわたはコレを、
『思考停止した根性論または精神論』
だと思っています。
『部長は部長だからエラいんだ』
みたいな感じです。
なぜ、部長は偉いのですか?
偉いとはなんですか?
論理的に、皆が納得できるように説明がなされているとは言えませんよね。
このような、
『思考停止した根性論または精神論』
でしか相手に説明ができない上司や先輩は、終わっている可能性大です。
とにかく気合で頑張れ!
根性で乗り切れ!
と、精神論、根性論で仕事をさせられ、いつしかキャパを超えて爆発し、倒れる可能性大でしょう。
さて、
うつわたが、個人的に一番好きな回答は、
『新入社員のキミは、時間あたりの給与、つまりコストがメンバーの中で一番低い。【電話を取る】といった誰でも代替できる業務は、最も低コストで行える人材が担うのが、組織のパフォーマンス最大化の観点から見て、正しいからだ。』
です。
新入社員に
『人件費』というコスト感覚を意識させ、
『誰でもできる業務』という、業務難易度の存在について例を示し、
『組織のパフォーマンス最大化』という、会社組織最大の目的を知らせることができる。
合理的で納得度が高いと同時に『会社組織』という未知のフィールドにおいて、常に意識してほしいことを3つも提示した、ステキな回答だと思っています。
うつわたが新入社員のときに、こんな説明をしてくれる先輩がいたら、もっと仕事人生が変わっていたかもしれないな〜。と感じます。
皆さんは新入社員に業務のレクチャーをする際に、どんな言葉で、どんな説明をしていますか?
女性にだけ制服を着用させる企業
こんにちは、うつわたです。
今日のテーマは、女性にだけ制服着用をさせる企業についてです。
これは何を隠そう、うつわたが今現在在籍している企業が過去に該当していたパターンです。
結論から言うと、女子社員複数名からのクレームと断固着用拒否を貫く姿勢によって、制服着用の習慣は、現在撤廃されました!
うつわたの会社では、
男性(主に営業や経理など)=スーツ
男性(工場勤務)=作業服という名の制服
女性(全員)=事務服という名の制服
という、主に3パターンの服装の社員が混在しておりました。
中でも、数名しかいない女性の営業マンは、
『私服で通勤し、事務所の更衣室で制服にきがえる。そして客先に行く時だけ私服に着替え、帰ってきたらまた制服に着替える。そして退勤時また私服に着替える。』
という、効率もへったくれもあったもんじゃない、恐るべき着替え文化を持っていました。
ここでうつわたが感じたのは、
女性の営業マンは新人時代から、このクソ着替えルールが理不尽に思えたとしても、社内でお局様にいじめられるリスクを最低レベルにまで抑えようと、思考停止して、目立たないよう、馴染めるよう、これまでやってきたのだろうな…。
という、胸糞悪いことこの上ない悪しき慣習への怒りでした。
会社に対する信頼が一気に崩れた、転職3日目でした。
さて、このブログの第一回目のテーマ、
『女性社員にだけ、制服着用をさせる企業』
について、思い出してください。
性別を理由に不利益な取り扱いをすることを、男女雇用機会均等法は禁止しています。
本来であれば、
男性営業マン=スーツ
女性営業マン=スーツ
こうあるべきが当然ではないでしょうか?
総合職と一般職という雇用区分や、営業担当と接客販売担当という、業務上の明確な役割の違いがあり、それによって求められる社会通念上相当な服装が異なるのであれば、業務に必要な範囲として、制服の着用は認められます。
例えば、
クライアント企業と商談する総合職=スーツ
窓口で接客を担当する一般職=制服
これは、業務上の役割が明確に異なりますよね。
企業に赴いて、制服姿で商談をすることはありませんし、窓口で係員が私服で働いていたら、来店したお客様と一見して区別がつかずに、お客様が困るかもしれません。
また、ファミレスや、航空会社を思い出してください。
接客担当者は男女ともに制服。
客室乗務員は、男女ともに制服。
ではないでしょうか?
このように業務上制服が必要な明確な理由があって『男女ともに制服着用』であれば、問題はありません。
うつわたの会社の場合は、これを男女という性別で分けていたのが問題でした。
本来ならば、
『男女ともスーツ着用。工場で一定の作業に従事する社員は制服(作業服)着用』
これで良いはずです。
感覚が麻痺しているというのは、本当に恐ろしいことです。
悪しき慣習、理不尽な伝統に負けず、合理的で平等な職場環境を築いていきましょう!
今日も一人でも多くのサラリーマンが救われますように!
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有給休暇をちょっとずつ与えようとする企業
こんにちは、うつわたです。
本日は、
『有給休暇をちょっとずつ分けて付与しようとしてくる企業』
についてです。
(注:2019年に施行された、有給休暇の計画的付与についての話ではありません。)
これは、無いようでいて、たまにあるケースです。
例によって具体例で解説しましょう。
うつわたが数年前、転職活躍をしている際に、内定を獲得した企業から渡された『労働条件通知書』には、こう書いてありました。
『年次有給休暇は、入社から半年後に5日、更に半年後に5日を与える』
ん?
何だか正しいようでいて、何かがおかしい…。
さて、何が問題なのでしょう?
そもそも、年次有給休暇については、労働基準法で以下のとおり定められています。
【年次有給休暇の付与要件】
1:雇い入れの日から6カ月継続勤務している
2:全労働日の8割以上の出勤をしている
上記の2つの要件を満たす場合、
以下のとおりの日数を付与すること↓↓
年次有給休暇の付与日数
勤続年数 付与日数
0.5年 10日
1.5年 11日
2.5年 12日
3.5年 14日
4.5年 16日
5.5年 18日
6.5年以上 20日
つまり、入社から半年経過した際に、全労働日の8割以上の出勤をしていれば、10日の有給休暇が付与されるのです。
(パートなど、週の勤務日数や労働時間が少ない雇用形態の場合は、また別の表により付与日数が決まります。)
しかし、うつわたが受け取った労働条件通知書には、
『入社から半年後に5日、更に半年後に5日を与える』
と書かれています。
一年経てば、合計10日の有給休暇が付与されるんだから、問題ないんじゃない?
と思われるかもしれませんが、
これは、
『労働者側にとって、労働基準法で定める基準よりも不利な条件』
になりますので、無効です。
労働基準法で定められているのは、
『最低限の基準』であって、
それより更に労働者にとって不利な内容の契約は、できないことになっています。
これがもし、
『年次有給休暇は、入社時に10日を付与する』
であれば、労働基準法で定める基準よりも労働者にとって有利であるため、有効な契約となります。
6ヶ月継続勤務の要件も、
8割以上出勤の要件もないからです。
企業の中には、単なる無知でこうした契約を盛り込んでくるところの他に、俺様がルールだ!とばかりに労働基準法を全く無視した労働者にとって不利な内容を、労働条件通知書に盛り込んでくるブラック企業もあります。
大切なのは、
『労働基準法よりも労働者にとって有利な内容はOK、不利な内容はNG。』
あれ?この契約内容、おかしくない?というときには、その内容が、労働基準法のどの部分に当たるのかを確認してみるのも大事です。
今日も一人でも多くのサラリーマンが、救われますように!
【補足】手待ち時間って、何?
こんにちは、うつわたです。
今日は、昨日のテーマ内に出てきたキーワード
『手待ち時間』
について解説します。
サラリーマンとして働いていると、『明らかに仕事をするべき時間』と、『休憩時間』の他に、なんとも曖昧な時間が生じることがあります。
例えば、
運送会社のドライバーさんが、トラックに荷物が積まれるのを待機している時間。
営業所の事務員さんが、昼休みにお弁当を食べているときにお得意様が来社して、応対する時間。
ビルの警備員さんが、仮眠をしているあいだに非常ベルが鳴って、現場を確認しにいく時間。
こうした働いているのか、休んでいるのか曖昧な時間を『手待ち時間』といいます。
これまで様々な手待ち時間についての裁判があり、その多くで、
『手待ち時間は労働時間』
と判断されています。
そもそも労働時間とは、従業員が使用者(会社)の指揮命令下に置かれている時間のことです。
対する休憩時間とは、労働者が労働時間の途中において休息のために完全に労働から解放されることを保障されている時間を指します。
労働基準法は、休憩時間を労働者に「自由に利用させなければならない」旨規定しています。
自由に利用できなければ、休憩時間では無いのです。
そして、手待ち時間とは、
外形的には何らの作業を行っていないように見える時間帯でも、使用者の指示があれば直ちに何らかの業務に従事しなくてはならない状態にいる時間のことです。
この時間において従業員は、使用者の指示があれば、直ちに作業に従事しなければなりません。
つまり、手待ち時間は、労働時間の中に含まれる時間になります。形式的には休憩していても、使用者の指揮命令下にいますよね。
先程の例でいうと、
運送会社のドライバーさんは、例え一時間以上手持ち無沙汰でも、その場で待機していて、荷積みが終わればすぐに出発しなければなりません。
事務員さんや警備員さんは、休憩や仮眠をしていたとしても、来客対応や非常対応をしなければならなくなるのであれば、会社の指揮命令下に置かれていると言えます。
逆に、事務員さんが、『休憩時間中に来客があっても対応しなくていい。』と上司から明確に言われている場合は、休憩時間です。
この場合、善意で来客対応しても、その分の休憩時間や給料が別途発生することはないので、要注意です。
『手待ち時間』に対する会社の意識は、残念ながらまだまだ低く、多くの中小零細企業では、当たり前のように休憩時間がこの手待ち時間として扱われています。
休憩時間は、心身ともにリフレッシュするための大切な時間。無知な企業に良いように利用されないように、サラリーマンは知識を得て、自衛していくことが必要です。
昼休みに電話番をさせる企業
こんにちは。うつわたです。
本日のテーマは、
『昼休みに社員に電話番をさせる企業』
についてです。
これも、中小企業あるあるのひとつです。
うつわたが過去に在籍した会社でも、3社でこの行為が暗黙のルールになっていました。
※特に従業員10人以下の零細企業は100%これでした。
結論から言いますと、
労働基準法違反です。
例によって、厚生労働省のホームページを見てみましょう。
《以下引用
■厚生労働省Q&Aページ
労働時間・休憩・休日関係
Q 私の職場では、昼休みに電話や来客対応をする昼当番が月に2~3回ありますが、このような場合は勤務時間に含まれるのでしょうか?
A まず“休憩時間”について説明します。休憩時間は労働者が権利として労働から離れることが保障されていなければなりません。従って、待機時間等のいわゆる手待時間は休憩に含まれません。
ご質問にある昼休み中の電話や来客対応は明らかに業務とみなされますので、勤務時間に含まれます。従って、昼当番で昼休みが費やされてしまった場合、会社は別途休憩を与えなければなりません。
》
はい。このとおり、
『電話がかかってくるから、席を離れられない…』
という時間は、
業務(=受電)のために待機している
『手待ち時間』
という名の労働時間です。
ちなみに、
昼休み中、
『お客様が来るかもしれない。来たらお迎えするように』
と上司に言われて、お弁当を食べながら待っている場合なども、同様に『手待ち時間』です。
上司の命令を受けてそこにいるのですよね?
お客様の出迎えをするよう、業務命令を受けているのですよね?
それは立派な『業務』です。
休憩時間ではなく、労働時間です。
毅然として、お断りして問題ありません。
とはいえ、全く電話を取らないようにするのは難しい…という場合、2つの解決策があります。
●解決策その1
留守電サービスを利用する
会社に上記厚生労働省のサイトを見せた上で、昼休みだけ切り替え可能な留守電サービス等の導入を交渉しましょう。
うつわたが過去に在籍していたとある企業では、昼休みだけこの留守電サービスに切り替えて、皆自由に休憩を満喫していました。
●解決策その2
交代で休憩を取る
交代で誰か1名が、昼休み時間帯に電話番をし、電話番をした人は、その後皆が休憩を終えて戻ってきたら、休憩時間をずらして取るように、ローテーションを組みましょう。
もちろん、電話番の時間は労働時間です。
ただし、この解決策の場合は、会社と労働者の代表があらかじめ『労使協定』を結んでおく必要があります。
労使協定とは、簡単にいえば、
使用者と労働者の代表が例外的な取り扱いについて合意する約束
のことです。
詳しくは、次回説明しようと思いますので、併せて読んでくださいね!
うつわたは、このパターンで休憩時間を取らせていた企業に在籍していたこともあります。
電話番の人のデスクには、『本日電話番』と書いた手作りのコーン(目印)を置いていました。これなら、誰が当番なのか一目瞭然ですよね!
何かと問題になりやすい、休憩時間の使い方。
まだまだ他のテーマもありますので、また別の機会に書いていきたいと思います。
今日もまた、一人でも多くのサラリーマンの助けになれますように…!
女性社員だけにお茶汲みをさせる企業
こんにちは。うつわたです。
記念すべき第一回目のテーマは、
ブラック企業の定番あるある
『女性だけにお茶汲みをさせる』についてです。
昭和かよ!とツッコミたくなりますが、これ、まだかなり残っていると思われる、悪しき慣習です。
結論から言うと、これは、
に違反しています。
なんなら、厚生労働省の均等法Q&Aのページにも代表的なQ&Aとして載っています↓↓↓
«引用【厚生労働省ホームページ】https://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/danjokintou/q-a.html
Q:
男性社員は忙しいので、お茶くみや掃除等の雑用は女性社員に任せていますが、何か問題はあるでしょうか?
A:
男性労働者は通常の業務のみに従事させ、女性労働者についてのみ通常の業務に加えてお茶くみ・掃除等を行わせることは均等法に違反します。
社内においてこのような取扱いが生じないよう徹底をお願いします。
»
はい。このとおりです。
理不尽にも暗黙のルールで女性だけお茶汲みをさせられている職場の皆さん、上記のページを出力して、人事部門に抗議しましょう。
ちなみに、派遣社員等で、そもそも
『お茶汲み』を業務として契約している方の場合は、これらには当てはまりません。
なぜなら契約内容通りの業務内容を頼まれているにすぎないからです。
例外的に、全く同じ業務内容の契約で、同じ派遣先で働いている男性派遣社員もいるのに、女性である私だけがお茶汲みをさせられている!という方は、
『派遣会社の担当者』に抗議しましょう。(性別による不利益な取り扱いをされている可能性があるからです。)
ちなみにこの『女性だけお茶汲み』問題、うつわたの働いていた企業でも、2社ほど存在していました。
1社目はお茶汲みのみならず、『給茶機の掃除』までもが、女性社員だけの当番制になっていました。
女性の課長もいて、女性向けの商品も扱っている会社なのに、です。
なので、この習慣が当たり前のようになっている環境に、転職してきたうつわたは、心の底から戦慄しました。
ちなみにその後、うつわたは労働組合の担当者に文句を言いに行きました。
それが功を奏したのか、それから少しして、給茶機自体がリニューアルされ、毎日掃除とメンテナンスに業者が入ることになりました。
(お茶汲みも、必要なときに必要な人が声をかけて助け合うことになりました。)
2社目は、なんと社労士が作った人事コンサル会社でのことでした。
その企業には、社労士事務所あるあるのひとつ
『有資格者ではないが社歴が長く、事務全般を任されているお局』
がいました。彼女が癌でした。
事もあろうに、お局(当時45歳)は、
ワタシって気が利く!アピールなのか、
『お茶汲みは女のコがやりましょう!男のコにやらせるのはかわいそうだから!』
とのたまっておりました。
お局は、
労働関連法規の専門家・社労士を目指して勉強中
であり、
普段は労働関連法規の事務などを担当しているにもかかわらず、です。
ここでも例によって、うつわたは戦慄しました。
それはもう、地獄の底から湧き上がるような震えでした(笑)
結果的に、この会社とは色々合わないことが多く、早々に退職してしまいましたので、その後どうなったかはわかりません。
ただ、うつわたが言えることは、
『あなたの憤りを論理的に、正しく、しかるべき担当者に伝えてください』
ということです。
まともな企業であれば、何かしら対策を考えてくれるでしょう。
逆に考えてくれない企業は、思考停止かブラックのどちらかなので、脱出を考えるのも一案です。
あと、当然ですが、これは男女逆であっても当てはまります。
男性であるというだけで、理不尽な目に合っている男性サラリーマンの皆さんも、泣き寝入りせず、正しく均等法を理解し、戦うことをオススメします。
一人でも多くの、迷えるサラリーマンが救われますように!
はじめまして!
はじめまして。
『うつわた』と申します。
アラフォー転職回数6回の、転職のプロです。
…というのはウソで、
理不尽な理由で複数回の転職を余儀なくされてきた、しがないサラリーマンです。
パワハラで鬱になったり、事前に言われていた労働条件と違ったり…会社絡みで悔しい思いをたくさんしてきました。
そんな悔しさをバネにして猛勉強し、数年前に労働関連法規のプロである『社会保険労務士』の試験に合格しました。
その後、社労士事務所でも働きましたが、根本的に自分のやりたいことは『王様=経営者を救うことではなくて、奴隷=サラリーマンを救うこと』だったことに気づき、退職。
そして今日、全く社労士とは関係ない分野でのサラリーマン稼業の傍ら、趣味で人助けをするべく、このブログを立ち上げました。
これから自身の経験も、そうでないことも含め、色々な『サラリーマンを救う』記事を書いていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします!